夏休みの自由研究のテーマとして、いまSDGs(エス・ディー・ジーズ)を選ぶ小中学生が増えています。SDGsは「世界を変えるための17の目標」で、貧困や教育、気候変動、海の環境まで幅広いテーマが揃っており、身近な暮らしから世界の課題までを一本の研究でつなげられるのが大きな魅力です。この記事では、17目標をすべて表で紹介したうえで、小学生から中学生まで自宅や地域で取り組める調べ方のアイデア、外務省や国連広報センターなど公式データの活用法、模造紙やレポートへのまとめ方までを詳しく解説します。学年別のテーマ探しを先に眺めたい人は、夏休み自由研究テーマ一覧もあわせて参考にしてください。

目次
  1. SDGs自由研究が夏休みにおすすめな3つの理由
  2. SDGs 17目標一覧と身近にできる自由研究アイデア
  3. 【小学生向け】身近な暮らしから始める調べ方アイデア
    1. 目標2「飢餓をゼロに」を家庭の食品ロスから調べる
    2. 目標6「安全な水とトイレを世界中に」を水の使用量で調べる
    3. 目標11「住み続けられるまちづくりを」を町歩きで調べる
    4. 目標12「つくる責任 つかう責任」を買い物調査で調べる
    5. 目標15「陸の豊かさも守ろう」を公園観察で調べる
  4. 【中学生向け】データ・統計を使った本格リサーチ
    1. 目標4「質の高い教育をみんなに」を世界の就学率で調べる
    2. 目標5「ジェンダー平等を実現しよう」を意識調査で調べる
    3. 目標13「気候変動に具体的な対策を」を気温データで調べる
    4. 目標14「海の豊かさを守ろう」を海洋プラスチックから調べる
    5. 目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」を企業活動で調べる
  5. SDGsを調べるための公式情報源と使い方
  6. 調べた結果を魅力的にまとめる4つの方法
  7. 評価が上がるSDGs自由研究3つのコツ
  8. SDGs自由研究に関するよくある質問
    1. Q. 17目標のうち、どれを選べばいいですか?
    2. Q. 何日くらいで完成しますか?
    3. Q. 資料はどこで手に入りますか?
    4. Q. 小学生と中学生でテーマの選び方は変わりますか?
    5. Q. まとめ方に決まりはありますか?
  9. まとめ

SDGs自由研究が夏休みにおすすめな3つの理由

SDGsが自由研究のテーマとして高く評価されるのは、単なる「調べ学習」で終わらず、身近な行動や考察につなげやすいからです。理科・社会・家庭科・道徳など複数の教科にまたがる横断的なテーマなので、先生からも「よく考えている」と評価されやすいという特徴があります。

また、外務省や国連広報センター、環境省などの公式サイトに信頼できるデータが豊富に揃っているため、出典のはっきりしたレポートを書きやすいのもポイントです。数字や資料をきちんと引用できると、内容の説得力が一段上がります。

おすすめ理由 内容
教科横断で学べる 理科・社会・家庭科・道徳などをまたぐ探究テーマになる
身近な行動に落とし込める 家庭の水・電気・食品ロスなど、自分の生活を題材にできる
信頼できる資料が多い 外務省・国連広報センター・環境省など公式データが豊富

さらに、SDGsは2030年までの国際目標として学校教育でも扱われるため、「取り組んだ内容が授業や中学入試の作文にも役立った」という声もよく聞かれます。夏休みという時間があるからこそ、じっくり調べて自分の意見までまとめられる貴重なチャンスといえます。

テーマ選びから発表までの流れを整理したい人は、小学生の夏休み研究ガイドも参考になります。

SDGs 17目標一覧と身近にできる自由研究アイデア

SDGs(持続可能な開発目標/Sustainable Development Goals)は、2015年の国連サミットで採択された17の国際目標です。以下の表では、17目標すべての正式名称と、小中学生が家庭や地域で無理なく取り組める自由研究のアイデア例をまとめました。名称は外務省の公式表記に沿って記載しています(出典: 外務省「JAPAN SDGs Action Platform」)。

A colorful chart of the SDGs 17 goals icons arranged in a grid on a wooden classroom desk, with a Ja
No. 目標名(正式表記) 目標の概要 身近にできる自由研究アイデア
1 貧困をなくそう あらゆる場所・形の貧困をなくす 世界の子どもの貧困率を国別に調べ、日本と比較する
2 飢餓をゼロに 飢餓を終わらせ食料安全保障を実現する 家庭の食品ロスを1週間量って原因を分類する
3 すべての人に健康と福祉を 健康的な生活と福祉を促進する 熱中症予防に必要な水分量を計算して家族と比較する
4 質の高い教育をみんなに 公平で質の高い教育の機会を確保する 世界の識字率をグラフ化し、日本との差を考察する
5 ジェンダー平等を実現しよう ジェンダー平等と女性・女児のエンパワメント 家庭内の家事分担を1週間記録して考察する
6 安全な水とトイレを世界中に 水と衛生の持続可能な利用を確保する 家の水使用量を測り、節水方法を比較実験する
7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに 現代的で持続可能なエネルギーを確保 ソーラーライトを工作し充電時間と点灯時間を測る
8 働きがいも経済成長も 持続可能な経済成長と働きがいのある仕事 家族や近所の人に「働きがい」を取材してまとめる
9 産業と技術革新の基盤をつくろう 強靱なインフラと持続可能な産業化 身の回りのリサイクル製品を集めて素材を分類する
10 人や国の不平等をなくそう 国内・各国間の不平等を是正する 国別の平均所得を比較しグラフで見える化する
11 住み続けられるまちづくりを 安全で持続可能な都市と居住地を実現 自分の町のバリアフリーマップを作成する
12 つくる責任 つかう責任 持続可能な生産と消費の形態を確保 スーパーでエコマーク付き商品を数えて分類する
13 気候変動に具体的な対策を 気候変動とその影響に立ち向かう 気象庁データで過去100年の気温変化をグラフ化する
14 海の豊かさを守ろう 海洋・海洋資源を保全し持続的に利用 近くの海岸や河川のごみを拾って種類ごとに集計する
15 陸の豊かさも守ろう 陸域生態系の保護と回復を推進 近所の公園の樹木や昆虫を観察し種類を記録する
16 平和と公正をすべての人に 平和で包摂的な社会と法の支配を促進 世界の紛争地域と難民数の推移を年表にまとめる
17 パートナーシップで目標を達成しよう 実施手段の強化とグローバル連携 SDGsに取り組む地元企業3社の活動を比較する

表を眺めると、目標1〜10は主に社会・経済の課題、11〜15は環境の課題、16〜17は平和や協力の課題という大まかな流れが見えてきます。自分の興味や生活と結びつく目標をまず1つ選び、そこから関係する目標を2〜3個つなげて研究すると深みが出ます。

書籍を1冊手元に置いておくと、17目標の背景まで一気に理解しやすくなります。図書館で借りるのも良いですが、書き込みながら進めたい人は自分専用の1冊を持っておくと便利です。

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【小学生向け】身近な暮らしから始める調べ方アイデア

小学生におすすめなのは、家の中や登下校のルート、近所の公園など「自分の生活圏」を出発点にすることです。難しい統計を集める前に、まずは自分の目で見て手を動かして記録する体験を大事にしましょう。ここでは実生活とつなげやすい5つの目標について、具体的な手順を紹介します。

目標2「飢餓をゼロに」を家庭の食品ロスから調べる

家庭から出た食品ロス(食べ残し・賞味期限切れ・食材の切りすぎ)を、1週間まいにち計量してノートに記録します。どんな食品が、なぜ捨てられたのかを分類することで、日本全体の課題と家庭の課題をつなげて考察できます。世界の飢餓人口と食品ロスの関係は、農林水産省や国連WFP協会のサイトで裏づけを取ると説得力が増します。

目標6「安全な水とトイレを世界中に」を水の使用量で調べる

家庭の水道メーターを毎朝同じ時間に読み、1日の使用量を1週間分記録します。歯みがきコップ使用の有無、シャワーの時間、食器の下洗いの仕方などで水の使用量がどう変わるかを実験すると、節水の効果を数字で示せます。世界には安全な飲み水を使えない人が数億人いるという事実(出典: ユニセフ「Progress on Drinking Water, Sanitation and Hygiene」)と組み合わせると、身近な行動が世界の課題につながっていることが表現できます。

A Japanese child measuring water usage at a kitchen sink with a stopwatch and notebook, gently smili

目標11「住み続けられるまちづくりを」を町歩きで調べる

自分の家から学校までの通学路や、近くの駅・公園を歩いて、車いすやベビーカーを使う人が困りそうな段差・坂・信号を写真に撮って地図に記録します。市区町村の公式サイトで「バリアフリー基本構想」があれば読み比べ、改善されている点・まだ残っている点をまとめると、地域とSDGsを結びつけた研究になります。

目標12「つくる責任 つかう責任」を買い物調査で調べる

近所のスーパーで、パッケージにエコマーク・グリーンマーク・FSC認証などが付いた商品を数えて写真に記録します。同じ売り場でも認証マーク付きの商品はどれくらいあるのか、価格差はどれくらいか、といった比較をすると、生産と消費の視点で考察できます。

目標15「陸の豊かさも守ろう」を公園観察で調べる

近所の公園を朝・昼・夕方に訪れ、見つけた昆虫や植物、鳥の種類をノートに記録します。1週間続けると生物多様性の面白さが見えてきます。国立環境研究所の生物情報データベースなどで名前を確認すると、より正確なレポートになります。

自由研究を「新聞」の形でまとめたい人は、小学生の夏休み新聞の書き方の構成を参考にすると読みやすい仕上がりになります。

【中学生向け】データ・統計を使った本格リサーチ

中学生の自由研究では、身近な観察に加えて公的な統計を組み合わせると、考察の質が一段上がります。ここでは調査手順が明確で、深く掘り下げやすい目標を中心に紹介します。

目標4「質の高い教育をみんなに」を世界の就学率で調べる

ユネスコやユニセフが公表している、国別の初等教育就学率・識字率のデータを表に整理し、日本・アメリカ・ケニア・アフガニスタンなど数か国を比較します。GDPや女性の就学率と重ね合わせると、教育と経済・ジェンダーがどう結びついているかが見えてきます。

目標5「ジェンダー平等を実現しよう」を意識調査で調べる

家族や同級生、地域の大人など30〜50人に「家事分担」「進路選択」「リーダーの性別」などのアンケートを実施します。世界経済フォーラムの「Global Gender Gap Report」で日本の順位を確認し、身近な回答結果と比較すると、日本社会の課題を自分の言葉で語れるようになります。

目標13「気候変動に具体的な対策を」を気温データで調べる

気象庁の過去の気象データから、自分の住んでいる地域の1900年頃〜2020年代までの平均気温や真夏日の日数を10年ごとに集計してグラフ化します。IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)の報告書と関連づけると、地球規模のトレンドと地域の変化のつながりが表現できます。

目標14「海の豊かさを守ろう」を海洋プラスチックから調べる

近くの海や河川、あるいは家庭から出るプラスチックごみを1週間集めて、種類別(ペットボトル・レジ袋・食品トレー等)に重さを量ります。環境省の「海洋プラスチックごみ問題」ページのデータと比較しつつ、削減できそうな行動を3つ提案する構成にすると、行動志向のレポートになります。

A student browsing official Japanese government websites and international UN reports on a laptop, w

目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」を企業活動で調べる

地元企業や大手企業3〜5社のウェブサイトから「サステナビリティ報告書」や「統合報告書」を読み比べ、それぞれがどの目標に力を入れているかを表にまとめます。企業ごとに得意分野が異なることに気づけると、SDGsが「みんなで役割分担して進める目標」であることを実感できます。

SDGsを調べるための公式情報源と使い方

SDGsは国際的な取り組みなので、信頼できる公式サイトから情報を集めるのが基本です。個人ブログやSNSの情報だけに頼らず、以下のポータルをブックマークしておくと、レポートの根拠がしっかりします。

情報源 主な内容 使いどころ
外務省「JAPAN SDGs Action Platform」 17目標の正式名称・日本の取組み 目標の説明・日本政府の動きの引用元
国連広報センター(UNIC Tokyo) 目標解説・公式ロゴ・ニュース 概論のまとめ、公式アイコンの使い方確認
国連「Sustainable Development Report」 各国のSDGs達成度スコア 国際比較のデータ集めに便利
環境省「環境白書」 環境関連のデータと施策 気候・水・生態系テーマの裏づけ
ユニセフ 子ども・水・教育・保健の統計 貧困・教育・水テーマの世界データ
e-Stat(政府統計の総合窓口) 日本の各種統計 日本国内の数値比較
気象庁「過去の気象データ検索」 地域別の気温・降水量 気候変動テーマの実データ収集

これらのサイトを使うときのコツは、「出典・年・調査元」を必ずノートに書き写しておくことです。あとから引用しやすくなり、レポートの信頼性も上がります。数字を丸めるときは「約」を付け、必要に応じて「最新情報は各公式サイトで確認してください」と一言添えると、時間が経っても使えるレポートになります。

書き込みや練習問題があるワークブックを併用すると、公式サイトの情報が頭に入りやすくなります。

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調べた結果を魅力的にまとめる4つの方法

SDGs自由研究は、テーマが幅広い分「どうまとめるか」で評価が大きく変わります。伝えたい相手(クラス・学年・家族)と伝えたい内容の量に合わせて、以下の中から発表方法を選ぶと良いでしょう。

まとめ方 向いている人 ポイント
模造紙ポスター 教室掲示・自由研究展 大きな図・写真・グラフで一目で伝える
A4レポート 中学生・じっくり読ませたい人 章立てして考察を深く書き込む
スライド/動画 発表・オンライン提出 声で説明でき、動きで印象づけられる
手作り絵本/新聞 低学年・親子で作る ストーリー仕立てで楽しく伝えられる

一番人気なのは、教室や自由研究展でも映える模造紙ポスターです。左上に「テーマ」と「調べたきっかけ」を書き、真ん中に17目標のうち取り上げた目標のアイコン、右側にデータのグラフ、下段に「自分にできること」を配置すると読みやすくなります。

A finished summer research poster on large white paper (mozoshi) featuring the SDGs 17 goals with ha

模造紙は大きめのB1サイズ(788×1091mm)や、学校の机に貼りやすいB2サイズが定番です。事前にえんぴつで下書きしてから清書すると、失敗を減らせます。まとめ方の型でつまずいたときは、小学生の夏休み自由研究ガイド(学年別まとめ方)も併せて参考にしてください。

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評価が上がるSDGs自由研究3つのコツ

同じテーマでも、まとめ方の視点でぐっと評価が変わります。とくに以下の3つを意識すると、審査員や先生の印象に残る仕上がりになります。

1つ目は、「課題→原因→自分の行動」という論理の流れを作ることです。単に「世界の水問題は大変」で終わらず、「なぜ起きているか」「自分が今日からできることは何か」まで書くと、探究学習の完成度が高まります。

2つ目は、必ず1つ以上のグラフや表を入れることです。外務省・気象庁・ユニセフなど、出典が明確なデータを引用し、「出典: ○○(年)」と書き添えるだけで、レポートの信頼性は大きく上がります。

3つ目は、「自分ごと化」した感想を最後に書くことです。「食品ロスを減らすため、我が家では買い物の前に冷蔵庫を確認するルールを作りました」といった具体的な行動宣言を入れると、実生活と結びついた学びとして評価されます。

環境分野に絞った自由研究にも興味がある人は、姉妹記事夏休みの環境自由研究アイデアも参考にすると、テーマの深掘りに役立ちます。

SDGs自由研究に関するよくある質問

Q. 17目標のうち、どれを選べばいいですか?

まずは自分の生活と一番結びつきそうな目標を1つ選ぶのがおすすめです。食べることが好きなら目標2(飢餓)や目標12(つかう責任)、生きものが好きなら目標14・15、社会の仕組みに興味があるなら目標5・10などが取り組みやすいです。1つに絞りきれない場合は、関連する2〜3個の目標を組み合わせても構いません。

Q. 何日くらいで完成しますか?

家庭の水使用量や食品ロスなど1週間の計測を伴うテーマなら、記録に7日+まとめに2〜3日で合計10日程度が目安です。統計データを比較するだけのテーマなら3〜5日で仕上げることも可能です。じっくり取り組む場合は2週間ほど確保すると考察まで丁寧に書けます。

Q. 資料はどこで手に入りますか?

外務省「JAPAN SDGs Action Platform」、国連広報センター、環境省、ユニセフのウェブサイトが基本の情報源です。図書館の児童書コーナーにもSDGs解説本が並んでいるので、まず1〜2冊借りると全体像がつかめます。動画で概要を知りたい場合は国連広報センターの公式動画が信頼できます。

Q. 小学生と中学生でテーマの選び方は変わりますか?

小学生は「自分の家・学校・地域」といった生活圏を舞台にした観察・記録型テーマが向いています。中学生はそれに加えて、統計データや年次推移の比較、アンケート調査など「数値で語れる」要素を入れると評価が上がります。同じ目標6(水)でも、小学生は節水実験、中学生は世界の水資源データの比較、と切り分けると差別化できます。

Q. まとめ方に決まりはありますか?

学校ごとの提出フォーマットに従うのが基本ですが、指定がなければ模造紙・A4レポート・スライドのいずれかから選べば問題ありません。共通して大切なのは「テーマ/きっかけ/調べ方/結果/考察/自分にできること」の6要素を必ず入れることです。この型を守れば、まとめ方が変わっても内容の芯は伝わります。

まとめ

SDGsの自由研究は、17目標のうち自分の暮らしに一番近いものを1つ選び、身近な観察や記録から始めるのが成功のコツです。外務省・国連広報センター・環境省・ユニセフといった公式サイトのデータを引用しながら、「課題→原因→自分の行動」という流れでまとめれば、夏休みの宿題としてだけでなく、これからの学びのベースにもなる一本の研究に仕上がります。まずは今日、家の中や通学路で気になる場面をひとつメモするところから始めてみてください。